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読書感想文2020 part 2

「読書感想文2020」 part2は、3月〜4月の読書録です。

 ↓ Click NOVEL mark !
コメント  まほろ駅前番外地 (三浦 しをん著、文春文庫)   作品の紹介 

「まほろ駅前多田便利軒」の第二作。 計7編の短編を収録。
東京南西部、神奈川県との境に位置するまほろ市の駅前で便利屋「多田便利軒」
を営む多田 啓介。 脱サラのバツイチ。 多田は高校時代の同級生、行天 春彦
と再会。 行天は、昔、無口だったのに、饒舌で飄々とした男に変身していた。
行天は、多田の事務所兼住居に転がり込み、男二人の共同生活が始まる、、、。
本作は、多田と行天だけでなく、まほろに住む、二人になじみの人たち、二人の
依頼主を描いた佳作。 いろんな人たちのいろんな暮らし、考え、過去を、二人
の掛け合いとともにテンポよく描いた作品。 さくさく読めた。
第一作を読んでから、10年後に続編を読んだのだけど、全然OK。
第一作のブックレビューはこちら。  シリーズ特設サイトはこちら
第一作は2006年度「直木賞」受賞作、2011年映画化。 第二作は2013年ドラマ化。
第三作は2014年映画化。 オススメ度:8.3

コメント  まほろ駅前狂騒曲 (三浦 しをん著、文春文庫)   作品の紹介 

「まほろ駅前多田便利軒」の第三作にして完結編。
多田のもとに行天が転がり込んで二年が過ぎたころの物語。
かつて行天が偽装結婚した元妻、三峯凪子から多田に仕事の依頼が入る。
凪子は、体外受精で生まれた行天の娘、はるを一か月半預かってほしい、と
告げる。 育児の経験がない多田。 子どもが苦手な行天。 そんな二人
が、4歳児を預かることに。 しかも、多田は行天に子どもの素性を告げる
ことができずにいた、、、。
そんな折、まほろの裏社会の若きボス、星からもやっかいな依頼が入る。
星は、まほろ市内で無農薬野菜を生産販売する「家庭と健康食品協会」の
信用を失墜する証拠を突き止めるよう、多田と行天に命じる。
無事、星の依頼を遂行した二人のもとに、ついにはるがやってくる。
初日に、いきなり行天にはるの素性を知られてしまう、、、。
はるを避け続ける行天。 はると打ち解けていく多田。
そんな中、多田はかねてから想いを寄せていた、レストランチェーンを経営
する未亡人、柏木亜沙子と結ばれる、、、。
しかし、星と「家庭と健康食品協会」の幹部、沢村が対立。 星は、多田
に、沢村たちがまほろ駅前で画策している広報活動を阻止するよう命じる。
時を同じくして、多田の得意先の岡が、横浜中央交通のバス間引き運転を
訴えるデモを決行。 岡に巻き込まれた行天も、まほろ駅に向かう。
「家庭と健康食品協会」の広報活動、それを阻止せんとする星の手下と多田、
そして岡たちのデモ隊。 まほろ駅前は、三つどもえの様相に。
ついには警察も介入する騒ぎになり、行天がはるをかばって負傷する、、、。
独特の世界観を持つエンタメ色たっぷりの傑作。 人におススメしたいシリーズ
三部作。 著者も楽しみながら書いてる感じ。 オススメ度:8.5

コメント  神去なあなあ夜話 (三浦 しをん著、徳間文庫)   作品の紹介 

傑作「神去なあなあ日常」の続編にして後日譚。
横浜の高校生、平野 勇気は、卒業したらフリーターになろうと思っていたが、
卒業式の日、担任の教師と親に強制的に三重県の神去村に送り込まれ、林業
を始めることに。 一年後、いやでたまらなかった田舎暮らしにも慣れ、林業
にも夢中になっていた。 そんな勇気と神去村の日常を描いた一作。
神去村の起源に始まり、村の恋愛事情やクリスマスまで七章建てで進んでいく。
その合間、合間に挿入されるのが、勇気の片思いの相手、直紀との恋の進展。
そして、気のいい村人たちと勇気との心温まるエピソード。
あいかわらず、いい味を出してる、ほっこりした作品。
第一作「神去なあなあ日常」のブックレビューはこちら。 オススメ度:8.5

コメント  夫の墓には入りません (垣谷 美雨著、中公文庫)   作品の紹介 

44歳の高瀬夏葉子の夫、堅太郎は脳溢血で急死する。 46歳の若さだった。
堅太郎は、東京出張と言って家を出たが、急死したのは長崎のビジネス
ホテルだった、、、。
結婚して15年。 夫の故郷である長崎に来て10年以上が経っていた。
夫と過ごす時間があまりなく、夫への愛情はなくなっていた夏葉子。
かといって離婚するのも経済的に不安で、夫が死んでも涙が出なかった。
夏葉子は東京出身だが、いまさら東京の実家に戻る気もなく、タウン情報誌
のパート記者の仕事を続け、長崎で暮らしていこうと考える。
告別式を終え、自由な日々が始まると思ったのもつかの間、舅姑が仏壇を
購入して夏葉子の家に送る。 仏壇が来ると、お線香をあげさせてほしい
と来客が増える。 落ち着かないまま四十九日の法要を終えると、舅姑が
建てた夫の墓には、夏葉子の名前まで彫られていた、、、。
さらに、夫が高校の同級生だったサオリに経済的援助を続けていたことも
明らかになる。
そんな中、ストリートミュージシャンの工藤と知り合い、あっという間に
恋におちる。 年末年始、実家に戻るが、夏葉子の居場所はなく、父だけ
が話を聞き、夏葉子の今後を案じてくれた。
長崎に戻った夏葉子は「姻族関係終了届」を提出し、旧姓を名乗ることに。
さらに父とともに高瀬家に乗り込み、夫の仏壇を返したい、墓から名前を
消してほしいと訴える、、、。
その後、工藤とサオリの正体が明らかになり、夏葉子は、新しい一歩を
踏み出す。
フィクションとは思えないリアルさ。 身につまされるお話。
著者の姉妹作的作品「老後の資金がありません」のブックレビューはこちら
オススメ度:8.2

コメント  盲目的な恋と友情 (辻村 深月著、新潮文庫)   作品の紹介 

「恋」
東京郊外の私大のオーケストラでバイオリンを弾く一瀬 蘭花。
蘭花のオケに夏から秋の間、指導に訪れる指揮者の茂実 星近。
二年生の夏、蘭花と茂実の恋は突然始まる、、、。
一年後、蘭花は、茂実が、師事する指揮者、室井の妻、菜々子が茂実の部屋に
出入りしていることを知る。 失意の蘭花を慰めてくれたのは、オケの友人、
留利絵だった。 卒業後、蘭花は商社に就職。 留利絵と暮らし始める。
茂実は、室井について海外での仕事が増える。 蘭花は、菜々子との関係を
知ってもなお、茂実との結婚をあきらめないでいた。
一年後、菜々子との関係が室井にバレて、茂実は、音楽業界での居場所を失う。
とはいえ、働くこともせず、蘭花にすがりつく。 やがて、茂実が転落死する。
それは事故とも自殺ともとれる死だったが、警察は自殺と判断する。
蘭花は一年間休職するが、復帰後、一年後輩の乙田と交際を始める。
そして、半年後、結婚し、乙田の赴任先であるアメリカに旅立つことになる、、。
「友情」
傘沼 留利絵は、大学のオケで同じ第一バイオリンパートの蘭花と仲よくなる。
留利絵は、茂実の前に蘭花が付き合っていた大塚と親しくなりかかるが、二人
の仲が発展することはなかった。 留利絵は、自分に自信を持てないものの、
蘭花の親友、美波には嫉妬の感情を抱いていた、、、。
大学院の修士課程を終えた留利絵は美術館の学芸員として働き始める。
師事する室井から見放され、落ちぶれていく茂実に、留利絵は、蘭花と別れて
ほしいと告げるが、取り合ってもらえなかった、、、。
蘭花が茂実に蝕まれていくのを見かねた留利絵は、茂実のもとに向かう、、、。
前半が蘭花の「恋」のパート、後半が留利絵の「友情」のパートの二部構成。
「恋」に比べて、「友情」は視点が代わっただけのパートだと思って読み進めて
いくと、終盤で明かされる驚愕の事実。 「恋」の終盤で匂わされていた伏線の
回収はあると思っていたけど、予想を上回るインパクト。 オススメ度:8.1

コメント  クドリャフカの順番 (米澤 穂信著、角川文庫)   作品の紹介 

「氷菓」に始まる「古典部」シリーズの第三作。
奉太郎たち古典部の四人が通う神山高校の文化祭の3日間を描いた一作。
古典部は文集を誤って大量発注し、省エネ主義の奉太郎は店番に。
えると里志は文集の宣伝に奔走。 摩耶花は漫研の出し物で大忙し。
そんな中、さまざまなサークルで小さな盗難事件が連続発生。
奉太郎は、一連の盗難事件の法則性に気づく。
そして、最後に狙われるのが古典部だと予測し、犯人を推理し始める。
やがて、姉からもらった漫画がヒントになり、事件の核心に近づいていく。
あいかわらず、このシリーズらしさ満載の安定の仕上がりか。
シリーズ第二作のブックレビューはこちら。 シリーズ特設サイトはこちら
オススメ度:8

コメント  ふたりの距離の概算 (米澤 穂信著、角川文庫)   作品の紹介 

「古典部」シリーズの第五作。
古典部の四人は二年生に進級。 新入生の大日向友子が古典部に仮入部する。
しかし、大日向は本入部直前、入部しないと告げる、、、。
5月末の入部締切日は、神山高校のマラソン大会。 奉太郎は、20kmを走り
ながら、大日向の心変わりの真相を推理し始める、、、。
奉太郎は、古典部の同級生、里志、摩耶花に続き、えるに話を聞く。
えるは、自分が大日向の退部の原因をつくったと誤解していた、、、。
そして、最後に、大日向に自分の推理をぶつけ、奉太郎は真相にたどり着く。
話の展開はいいと思うけど、真相がせつなすぎるか。
シリーズ第四作のブックレビューはこちら。 オススメ度:7.9

コメント  侠飯(おとこめし) (福澤 徹三著、文春文庫)   作品の紹介 

就活に悩むFランク大学の学生、若水良太は、ヤクザの銃撃戦に巻き込まれる。
運よく無傷で済んだが、銃撃戦を演じた片方のヤクザ、組長の柳刃竜一が良太
の部屋に居座る。 柳刃は、組織から銃撃戦の責任を負わされ、良太の部屋から
出られない。 しかし、部屋住み時代に磨いた料理の腕で良太と友人たちに数々
の料理をふるまう。 良太は次第に柳刃と打ち解けていく。
柳刃は良太に就職が部屋を出ていくと約束。 良太は広告代理店の営業職に内定
するが、柳刃はブラック企業だと見抜く。 案の定、良太が採用通知を要求する
と、口約束の内定が取り消され、就活は振り出しに戻る。
それでも、良太は、大学の友人に紹介された小さな編集プロダクションを受ける
が、仕事に対する甘い考えを見抜かれ、あっさり不合格に。
そして、良太がうっかり大学の友人に柳刃の正体を話したことがきっかけで、
警察がやってくるが、、、、、、。
ラストのどんでん返しは痛快。 だけど、作品の半分が料理の蘊蓄でちょっと
食傷気味に。 ダメな大学生の成長物語としては、ややベタな印象。
オススメ度:7.8

コメント  あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(上) (岡田 磨里著、角川文庫)   作品の紹介 

「じんたん」こと宿海仁太。 引きこもりの高校1年生。
5年前の小学5年生のころ、仲間5人とともに結成した「超平和バスターズ」の
リーダーを自認していたが、今は、ぱっとしない。
ある日、5年前に死んだ「めんま」こと本間芽衣子の幽霊が現れ、「願いを
叶えてほしい」と告げる。 しかし、その願いは、めんま自身にもわからず、
めんまの姿は、じんたんにしか見えなかった、、、。
めんまの出現をきっかけに5年ぶりに集まった昔の仲間たち。
進学校に通う「ユキアツ」こと松雪集、「鶴子」こと鶴見知利子。
じんたんの高校の同級生でギャルの「あなる」こと安城鳴子。
そして、高校には行かず、放浪生活を送る「ぽっぽ」こと久川鉄道。
最初は半信半疑だったじんたん以外の5人も、めんまが見えないものの、
やがて、幽霊となっためんまの存在を信じ始める、、、。
話題のアニメ作品、そして、若い人向けの作品ということも理解して読み始めた
のだけれど、物語の深さとテンポがやや物足りなかった印象。
2011年のアニメのノベライズ作品。 2013年、映画化、2015年、実写ドラマ化。
オススメ度:7.8

コメント  あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(下) (岡田 磨里著、角川文庫)   作品の紹介 

あいかわらずめんまの姿は、じんたんにしか見えないが、じんたん以外の
5人も、めんまがモノを動かしたり、交換日記を書くのを見て、めんまの
存在を信じる。 やがて、じんたんたち6人は、めんまの願いを叶えて、
めんまを成仏させるべく、打ち上げ花火をあげることを計画する。
花火師に支払う費用のためにバイトに汗を流すじんたんとぽっぽ。
やがて、じんたんは、5年前にできなかった告白をめんまにする。
めんまも、その思いにこたえる、、、。
しかし、めんまの姿が透明になり始め、じんたん以外の5人もめんまの姿
が見えるようになるが、めんまは姿を消す、、、、、、、。
アニメで見たらおもしろいのかもしれない。 でも小説として読むと、
予定調和みたいな印象。 オススメ度:7.8

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