コメント HOME コメント り ん コメント かなう コメント Mama コメント T . T コメント Family


コメント コメント コメント コメント   コメント コメント コメント コメント コメント コメント

読書感想文2011 part 5

「読書感想文2011」 part5は、9月〜10月の読書録です。

 ↓ Click NOVEL mark !
コメント  インシテミル (米澤 穂信著、文春文庫)   作品の紹介 

大学生の結城 理久彦は、夏休みに、コンビニで須和名 祥子という女性から求人誌の見方を質問される。 その求人誌には
時給1120百円というふしぎな記述のアルバイトが記されていた。 誤植だと疑いもしたが、二人はそれぞれこの仕事に応募する。
時給11万2千円、しかも24時間、1週間支払われる高額報酬につられ、12人の男女が集まった。 結城は集合場所で須和名に
再会する。 アルバイトの内容に関して事前に聞かされていたのは、人文科学の実験をするということのみ。 あやしい話、あぶ
ない話だと疑う者もいたが、最終的には、12人全員が被験者として「暗鬼館」という実験会場に足を踏み入れる。
暗鬼館で、12人は24時間モニターされるものの、快適な個室を与えられた。 しかし、各自の個室には、それぞれ異なった種類
の殺人道具が置かれていた。 そして、2日目、実験主催者から「人を殺したり、殺人の犯人を指摘すれば報酬が増える」旨の
ルールが説明される。 暗鬼館の中には、霊安室や監獄まであり、被験者たちは実験の真の目的に驚愕するが、12人のリー
ダー格の大迫が「互いに何もしなければ問題なく実験期間が終了する」と発言し、被験者たちは落ち着きを取り戻す。
豪華な食事、酒、そして、娯楽室まで用意され、疑心暗鬼な中にも、無事1週間をやりすごそうという意識が共有されたかに見え
たが、3日目の朝、西野という男が霊安室で死体で発見される。 西野は拳銃で撃ち殺されていた。
そして、次々と殺人が続き、被験者たちの恐怖は頂点に達する、、、、、、。
ユニークな発想の、よく練られたミステリー。 登場人物の造型も秀逸。 最後まで犯人のトリックがわからなかったです。
2007年度「週刊文春」ミステリーベスト10 国内部門:第7位。 2008年度「このミステリーがすごい」国内編:第10位。
ミステリー界の新しい旗手として人気の著者の代表作。 2010年に映画化。 僕のオススメ度:8

コメント  小太郎の左腕 (和田 竜著、小学館文庫)   作品の紹介 

戦国時代の1556年、西国の一角では、戸沢家と児玉家との戦が始まろうとしていた。 戸沢家は領主の甥、戸沢図書が総大将
として戦に臨んだが、敵の策にはまり、絶体絶命の危機に陥る。 窮地を救ったのは、戸沢家の猛将、林半右衛門だった。
半右衛門は、児玉家の勇将、花房喜兵衛との立ち合いに勝利し、図書を逃がすが、自らは、敵の軍勢にとり囲まれる。
家臣の藤田三十郎とともに死を覚悟するが、猟師の要蔵と孫の小太郎に命を救われる。
戸沢家の大敗で終わった戦の直後、領地では鉄砲試合が開かれる。 小太郎は、要蔵の制止を振り切って試合に出場。
散々な結果に終わるかに見えたが、左利きの銃に持ちかえた途端、人がかわったように遠方の的を撃ち抜く。
小太郎の真の実力が知られ、要蔵は自分たちが鉄砲傭兵集団、雑賀(さいが)衆の出であることを語る。
その直後、いよいよ花房喜兵衛率いる児玉家の大軍が児玉家の居城に迫る。 戸沢家は籠城の策に出、迎えうつ。
喜兵衛の抱える忍者に兵糧を焼かれ、飢餓に陥る戸沢家の兵士たち。 事態を打開すべく、半右衛門は、小太郎を軍に加える
ために、敵の包囲を突破して、小太郎の村に向かうが、、、、、、。
「のぼうの城」の著者、和田 竜さんの最新作。 「のぼうの城」と同様、若い人にも読みやすい時代小説。
武将としての生き方を変えられない半右衛門の一途さがもどかしくも共感できました。 やさしすぎる小太郎が豹変せざるを
得ない物語の山場の描き方も秀逸。 そして、せつないけど納得のいくラスト。 ふだん時代小説を読まない人にもオススメ
の一作。 僕のオススメ度:8

コメント  孤高のメス T (大鐘 稔彦著、幻冬舎文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは「孤高のメス 外科医当麻鉄彦」。 現役医師が書いた100万部突破の人気シリーズの第一巻。
当麻は医学部を卒業後、神戸で2年の研修医を務めた後、関東医科大学 消化器病センターで「修練士(レジデント)」として
6年働いた。 天性のメスさばきを見込まれ、センターに残るよう慰留されるが、東京、さらには、アメリカに赴き、見識と技術を
高める。 しかし、アメリカで肝移植までマスターした当麻が日本で職場に選んだのは、琵琶湖西岸にある甦生記念病院という
地方病院だった。 僻地医療こそ自分の生きる道という信念のもと、当麻は昼夜なく働き、天才的なメスさばきと実直な人柄で
瞬く間にスタッフや患者の信望を得る。
一方、甦生記念病院に医師を送りこんでいる近江大学からも中年の講師、野本が着任する。 野本は技術では当麻の足元にも
及ばず、人格的にも問題が多かったが、政治的配慮により、第二外科医長のポストに就く。 案の定、当麻率いる第一外科とも
うまくいかず、患者への対応も問題が多かった。 そんな中、野本が担当だった瀕死の患者の手術を当麻が引き受けることになる。
しかし、その患者は「エホバの証人」の信者であり、輸血なしでの手術を望む、、、、、、。
当麻のまっすぐな生き方を、硬直化した大学医局と対比しながら、現代の医療の問題点をわかりやすくあぶり出した秀作。
現役医師が書いているだけに、手術のシーンは、やや専門的すぎるものの、臨場感たっぷり。
2010年 映画化。 「日本アカデミー賞」優秀作品賞受賞。 僕のオススメ度:8

コメント  孤高のメス U (大鐘 稔彦著、幻冬舎文庫)   作品の紹介 

「孤高のメス 外科医当麻鉄彦」の第二巻。
当麻の評判は病院外でも日増しに高まる。 一方、野本の下についていた青木は、かつて当麻が籍を置いていた関東医科大の
消化器病センターに職を得る。 青木に代わって、近江大から派遣された渡瀬は、やる気が見られない問題児だった。
近江大には、当麻と同じく肝移植に意欲を燃やす実川が助教授として着任する。 折りしも、肝移植でしか命を救えない二歳の
患者が現れ、実川は、当麻に協力を求める、、、、、、。
第一巻に続き、実直な当麻の医師としての使命感に共感をおぼえました。 「孤高のメス」シリーズは、全六巻。 続きが気になる
ところです。 僕のオススメ度:8

コメント  ランナー (あさの あつこ著、幻冬舎文庫)   作品の紹介 

加納 碧李(あおい)は、高一の秋季大会の1万メートル走で惨敗を喫し、1週間後、陸上部に退部届を出す。
碧李の両親は一年前に離婚し、母の千賀子、5歳になる妹の杏樹とともに母の故郷で新生活をスタートしていた。
しかし、母は離婚のショックから立ち直れず、杏樹に虐待を繰り返していた。 杏樹は、千鶴子の実の子ではなく、別れた夫の
弟夫婦の娘だった。 杏樹の両親は、彼女が8ヶ月の時、交通事故で亡くなっていた。 千鶴子は、いけないとは思いながらも、
杏樹に別れた夫の面影を見つけ、虐待をしてしまうのだった。
碧李は、天性の素質に恵まれながらも、レースが早く終わってほしいと思ってしまった自分に嫌気がさし、母や幼い妹を守るのは
自分だと言い聞かせ、陸上から離れた。 しかし、陸上部監督の箕月(みつき)、マネージャーの前藤 杏子、部の親友、久遠は、
碧李が陸上から離れている間も温かく見守り、励まし続ける。
年が明けて、杏樹の小学校入学を機に母の心もほぐれ始める。 そして、碧李も、母や妹のために陸上から離れていたのではなく、
走ることを恐れていた自分自身に気づく。 二年になり陸上部への復帰を果たした碧李に、箕月監督は、予選会の5千メートル走に
出場するよう告げる。 碧李は、杏子と久遠のサポートで復活に向けてのトレーニングを続ける、、、。
名作「バッテリー」の著者、あさの あつこさんが陸上に舞台を移して書き上げた意欲作。 「バッテリー」同様、物静かだけど、芯の
強い主人公、スポーツに向かうまっすぐな気持ち、そして葛藤の描き方が秀逸。 しかしながら、母の葛藤が物語後半まで碧李の
復活と伴走するような構成は、スポーツ小説を期待していた読者に戸惑いをもたらしたのでは? また、物語のラストも少し軽め
かな、との印象を持ちました。 続編に続く、という感じ。 僕のオススメ度:7

コメント  楊令伝 1 玄旗の章 (北方 謙三著、集英社文庫)   作品の紹介 

北方「水滸伝」(全19巻)の続編。 「楊令伝」は全15巻。
宋軍との激闘の末、梁山泊が陥落してから三年。 今は亡き頭領、宋江から「替天行道」の旗を託された楊令の消息はいまだ
知れなかった。 童貫元帥率いる宋軍との戦いで多くの戦死者を出した梁山泊軍だったが、生き残った将たちは、宋の目を逃れ、
再起の時を待っていた。 呼延灼(こえんしゃく)、張清、史進は、それぞれ二千の兵を率い、李俊も二千の水軍を、公孫勝
(こうそんしょう)の特殊部隊、致死軍、飛竜軍も250の兵を擁している。
李富が率いる宋の諜報機関、青蓮寺(せいれんじ)が、梁山泊の隠した銀の在処を突き止めたことを察知し、李俊と燕青(えんせい)
は、タッチの差で銀の運び出しに成功する。 梁山泊のかつての幹部が久々に顔を揃え、銀の新たな隠し場所を話し合う。
そこには、兵を率いる将たちの他に、軍師の呉用、宣賛、通信担当の戴宗(たいそう)などの姿もあった。
諜報担当だった候健の息子、候真は、揚州で食堂を営む顧大嫂(こだいそう)のもとに身を寄せていたが、武松(ぶしょう)と共に
北に旅立つ。 武松と候真は、燕青と合流し、遼の燕雲(えんうん)十六州に向かい、牧場を営む仲間、段景住(だんけいじゅう)
から女真族の幻王という男の情報を得る。 幻王は、女真族の長、阿骨打(あくだ)と行動を共にする謎の存在だった、、、。
宋南部の太湖の南に位置する洞宮山では、梁山泊の新たな拠点づくりが進められていた。 山間部に12の村を作り、まずは50人ずつ
村に入る。 いずれは、各村に300人ずつ、合計で3000人以上の兵力を抱える構想だった。 この山村に、揚州から顧大嫂、孫二娘
(そんじじょう)が呼ばれ、すぐに扈三娘(こさんじょう)、杜興 ( とこう )も加わり、新しい拠点の統治を始める。
やがて、120人の兵が洞宮山に派遣される。 兵の中には、名将だった花栄の息子、花飛麟(かひりん)の姿もあった。 花飛麟は、
腕は立つものの、不遜な態度が目立ち、指揮官候補生としての期待を裏切っていた。 馬麟は、そんな花飛麟を、秦明の妻、公淑と
遺児、秦容の護衛として子午山に向かわせる。 子午山で、張横の息子で、楊令を兄と慕う張平との立ち合いに敗れた花飛麟は、
王進の元で修行することを決意する。
宋南部の太湖、洞庭山では、梁山泊の新たな拠点づくりが開始される。 洞宮山の兵も千を超えたが、将校の数が不足していた。
北の地、金では、蔡福が阿骨打の側近として仕えていた。 やがて、金が宋と同盟を結び、幻王の軍が遼の城郭に攻め入る。
燕青、武松、候真の三人が見た幻王の戦いは、苛烈で圧倒的な強さだった。 燕青は、幻王軍の中にかつて楊令の副官だった
かく瑾(きん)の姿を見つける。 意を決した燕青は、幻王に会うため、金の奥地にある幻王の軍営に向かう。
燕青の前に現れた幻王は、予想通り、楊令だった、、、、、、。
「水滸伝」を読み終えて二年が経過していたので、自分のためのメモの意味もあり、かなり長めのあらすじ紹介になってしまいました。
「水滸伝」を読んでいた時の感動や興奮が静かに蘇る出だし。 「楊令伝」も間違いなく名作の予感。
1ページ、1ページ、物語をかみしめながら、ていねいにていねいに読み進めました。 中身の濃い一作。
「楊令伝」公式サイトはコチラ。  「水滸伝」1〜4 ブックレビューはコチラ。  「水滸伝」5〜19 ブックレビューはコチラ。
「水滸伝」が未読なら、ぜひ読んでから「楊令伝」を。 僕のオススメ度:8.5

コメント  楊令伝 2 辺烽の章 (北方 謙三著、集英社文庫)   作品の紹介 

北方「水滸伝」(全19巻)の続編「楊令伝」(全15巻)の第二巻。
金北部の辺境の地で、燕青、武松は、三年ぶりに、今は幻王と名乗る楊令に再会する。 楊令は21歳になっていた。
楊令は、燕青らに梁山泊軍がこのままでは宋に勝てないこと、宋を倒すのは自分であること、今はまだ梁山泊に戻る気はないことを
告げる。 燕青は、候真を楊令に預け、阿骨打との会見に向かう。 武松は、楊令のもとに留まる。
宋北部では、呼延灼、張清、史進の部隊六千が宋軍二万と戦いの火蓋を切る。 梁山泊が太湖、洞庭山で新たな拠点づくりを開始
したことを受けて、宋の目を北部に引きつけておくことが目的だった。 またも、梁山泊軍が逃げると高をくくっていた宋軍は不意を
つかれ、大敗する。 燕青は、呼延灼らに楊令のことを伝え、共に楊令の帰りを待つことを決意する。
揚子江南部の江南の地では、方臘(ほうろう)という宗教家が民の人気を博していた。 呉用は、方臘の本拠地のすぐ近くの村の
名主になりすまし、方臘への接近に成功する。 しかし、青蓮寺も方臘のもとに許定という将軍を送っていた。
楊令は、軍営で武松と立ち合いをし、武松の右手首を切り落とす。 このことがきっかけで、楊令も武松も、心が解き放たれたかの
ように少しずつ変わり始める。 金と宋の同盟も、いよいよ動き出し、遼を挟み撃ちする戦いが火蓋を切る。 蔡福は阿骨打の命を受け、
楊令とともに唐昇と、その軍師、許貫忠に会う。 かつて宋の将軍だった唐昇は、正式に梁山泊に加わってはいないものの、別働隊と
して動いていた。 その後、唐昇、許貫忠は阿骨打の麾下に加わる。
水陸両用部隊の隊長、項充は、一年近い山籠りを経て、洞庭山に入る。 洞庭山は、宣賛が指揮を執っていた。 項充は、さっそく二千
に増員された部隊の調練を開始する。 かつて梁山泊の兵士だった者たちも、次々と洞庭山に入り始めていた。
南の洞宮山でも、杜興、扈三娘、顧大嫂による新兵の調練が続けられていた。 そして、洞宮山で鍛えられた兵がいよいよ洞庭山に送り
こまれることになり、項充が千の兵を引き取りに向かう。 増え続ける新兵の調練に対応するため、呼延灼軍から郭盛が派遣されて、
総指揮を取り始める。 洞庭山の兵力は六千となり、洞宮山の新兵も千四百に達していた。 呼延灼、張清の各二千の部隊も、二千ずつ
増員されることになる。 さらに、鮑旭(ほうきょく)が二千四百の新兵を連れて、洞宮山に入山。 郭盛、扈三娘とともに四千に増えた
新兵の調練を開始する。
公孫勝は、単身、楊令を訪れ、彼のもとに留まり続ける。 子午山では、王進のもと、花飛麟が人として、軍人として成長を遂げていた。
一方、江南の地では、方臘がいよいよ宋を相手に蜂起することを決意し、呉用は、許定とともに軍師としての役割を告げられる。
方臘は、呉用が見抜けないほどの野心を持ち、周到に準備を進め、許定が宋側の人間であることも把握していた。 方臘が決起すると
十万もの信者が呼応すると予測できるほど、彼の力は大きくなっていた。
そして、いよいよ呉用が燕青とともに、楊令と会見の場を持つ。 楊令とともに、公孫勝、武松、候真も姿を現した。 楊令は、このまま
では宋に勝てないという、かつて燕青にも語った自説を呉用にも語るが、同時に、自分は梁山泊の人間であることも明言する。
杜興は、かつての主で重装備隊の長だった李応の娘、李媛(りえん)を伴い、遼の地に入る。 李媛は、父の志を継ぎ、攻城兵器の制作に
取り掛かる。 杜興は、21歳の若き重装備隊長、李媛の副官としての任務に就く。
黎城(れいじょう)の関を守っていた宋の上級将校、劉光世は、禁軍元帥、童貫に見出され、禁軍の将に抜擢される。 劉光世と心が通じ
合っていた、若干17歳の、黎城の傭兵の頭領、岳飛は、移動中の楊令の軍に戦いを挑み、完膚なきまでに蹴散らされる。
梁山泊陥落から五年、宋北部で流浪の旅を余儀なくされていた呼延灼、張清、史進の主力部隊が集結し、冀州(きしゅう)で塞(さい)の
建設が始まる。 三軍合わせて一万の兵に、さらに三千が増強されることになっていた。 この地に楊令が姿を現した。 呼延灼たちは、
梁山泊の新しい頭領との再会を果たし、感無量になる。
江南の地では、公孫勝の工作により、方臘軍十万と宋の地方軍との戦いが始まる、、、、、、。
一巻に続き、かみしめるようにじっくり読みました。 「水滸伝」ファンの人にとっては、至福の時だと思います。
まだまだ序盤ですが、楊令という象徴の登場により、梁山泊が急速に力を取り戻していくさまに興奮。 そして、底が見えない不気味な方臘
は、梁山泊にとって、プラスの存在か、マイナスの存在か、気になるところです。
「楊令伝」公式サイトはコチラ。  「水滸伝」1〜4 ブックレビューはコチラ。  「水滸伝」5〜19 ブックレビューはコチラ。
僕のオススメ度:8.5

コメント  楊令伝 3 盤紆の章 (北方 謙三著、集英社文庫)   作品の紹介 

李応の娘、李媛を隊長に迎えた重装備隊は、遼の地で密かに攻城兵器の試作に取り組んでいた。 二百だった部隊が、一気に千二百に
増員される。
江南の地では、各地で方臘の信徒が宋の軍営を襲撃し始める。 方臘自身も五百の兵を従えて、青渓に向けて出発する。 呉用も軍師と
して方臘に従っていた。 方臘の兵は、道中、あっという間に一万に膨れ上がり、宋の地方軍五千を壊滅させる。 そして、十日後、方臘軍は、
六、七万の信徒を加え、正規軍十万とともに大軍となっていた。 方臘軍は、さらに南京応天府の軍まで潰走させ、青蓮寺の李富も、もはや
方臘を無視できない存在としてとらえていた。
開封府では、岳飛が禁軍十八万人の元帥、童貫と対面し、従者になる。
楊令は、段景住、皇甫端が預かる遼内の牧場で、四千の馬を補充。 遼攻撃を始める。 李媛も楊令のもとに駆けつけ、攻城兵器を投入。
遼の帝の城をあっという間に陥落させる。 遼の帝は、西の陰山に逃れ、楊令は、遼の主要都市を次々と支配下に置く。 遼で残るのは、
燕雲十六州の燕京のみとなるが、ここには遼禁軍最強の六万の兵がひかえていた。 金と宋の盟約により、燕京を攻撃するのは宋の役割
だったが、禁軍への出動命令がおりないでいた。
宋が北の燕雲十六州と南の方臘への対応で身動きがとれない間隙を縫って、梁山泊は冀州(きしゅう)にある北の塞を増強させる。 洞庭山
にいた軍師の宣賛も北の塞に入る。 兵力は一万八千になっていた。
方臘の叛乱もついに宋の帝の知ることになり、禁軍出撃の勅許が下る。 童貫は、趙安に九万の兵で燕京に向かわせ、自らも六万の兵を
率いて、江南の地に向かう。
北の塞では、呼延灼、張清の各六千、史進の三千の騎馬隊に加え、馬麟の隊、三千も編成される。 馬麟の隊では、祖永、曽潤、呼延灼の
隊でも李英という次世代の人材が頭角を現し始める。
金では、阿骨打が唐昇に八万の軍の指揮権を預け、遼国内の制圧を進める。 遼の帝は、国西端の陰山に封じ込められたかたちになって
いたが、依然、十万の兵に守られていた。
青蓮寺の聞煥章は、遼北部の軍閥、耶律大石と会談する。 耶律大石は五万の兵を有していたが、やがて金が遼を滅ぼし、孤立するという
懸念を抱いていた。 聞煥章は、燕雲十六州を燕国として独立させたい、という自らの野望を語り、耶律大石の心を動かす。
梁山泊の通信網を束ねる張横は、子午山に向かい、息子の張平、花飛麟を伴って山を下りる。
遼西部では三万五千の遼軍が、陰山の十万の兵の内、出撃した五万の兵とともに楊令軍の挟み撃ちを試みるが、一万の楊令軍に圧倒され、
潰走させられる。 楊令は、北の塞に入り、いよいよ梁山泊の頭領の座に就く。 北の塞は、梁山泊と名を改め、「替天行道」の旗が掲げられる。
宋南部の拠点、洞宮山は、兵士集めの役割を終え、生産の拠点とし、洞庭山は、物資貯蔵の基地と水軍、造船の南の拠点となった。
江南の地では、宋の元帥、童貫が禁軍六万に地方軍を加え、二十五万の大軍を率い、長江を渡ろうとしていた。 迎え撃つ方臘軍は、正規軍
十万に加え、信徒で組織された十二、三万の軍、さらに各地の信徒を加え、百万を超える勢力になっていた。 呉用は、軍師として方臘から
童貫を迎撃する作戦の策定を一任され、方臘とともに出陣する。
梁山泊としての戦いが本格的に始まっていないにもかかわらず、緊迫した展開、山場の連続。 まったくパワーの落ちない巻でした。
三巻の山場は、何と言っても、北の塞で、楊令が梁山泊の頭領の座に就く場面。 不覚にも目頭が熱くなりました。
「楊令伝」公式サイトはコチラ。  「水滸伝」1〜4 ブックレビューはコチラ。  「水滸伝」5〜19 ブックレビューはコチラ。
僕のオススメ度:8.5

コメント  楊令伝 4 雷霆の章 (北方 謙三著、集英社文庫)   作品の紹介 

北方「水滸伝」(全19巻)の続編「楊令伝」(全15巻)の第四巻。
宋北部の塞では、梁山泊軍の増強が急ピッチで進められていた。 呼延灼、張清軍が各八千、史進の騎馬隊が三千、新設の馬麟が四千。
やがて洞庭山での調練を終えて梁山泊に合流する鮑旭、郭盛の隊、それに扈三娘の隊も、それぞれ三千から四千の編成が予定されている。
子午山を下りた花飛麟にも隊を持たせる構想があり、いったん史進に預けられる。
遼の燕雲十六州、燕京(えんけい)では、耶律披機、簫珪材(しょうけいざい)の両将軍が率いる禁軍六万、遼北部の軍閥、耶律大石の軍、
五万が宋禁軍の趙安軍九万を迎えうとうとしていた。
江南の地でも、童貫の禁軍六万と地方軍二十万が長江沿いに展開し、方臘軍との睨みあいが続いていた。 方臘は相変わらず行軍の道中で
信徒を鼓舞し続ける。 やがて、信徒を束ねる包道乙(ほうどういつ)、信徒軍の指揮官、?元覚も本営に姿を見せ、正規軍の将軍、石宝、
上級将校、許定、そして、趙仁こと呉用という五人の最高幹部が方臘を支える体制が明確になる。 童貫もいよいよ二十六万の大軍の長江渡渉
を開始し、宣州を拠点に定める。 劉光世は、童貫から一万の兵を与えられ、上級将校の座に就く。
北の地では、燕京を攻めると思われていた趙安軍が突然、梁山泊に攻め入る。 宋軍の指揮は 葉超(しょうちょう)で、禁軍三万、地方軍三万の
計六万の大軍だった。 梁山泊軍は、全軍二万五千で葉超に戦いを挑む。 真っ向勝負の戦いとなるが、楊令の黒騎兵が駆け付け戦況が一変、
梁山泊軍の大勝に終わる。 梁山泊軍が二千、宋軍が一万を超える犠牲だった。 宋軍は一万三千の騎馬隊の内、五千が打ち取られ、三千頭
の馬が梁山泊に奪われる。 戦いの後、楊令直属の黒騎兵と兵、一万が梁山泊の塞に入った。
致死軍の隊長、公孫勝は、呉用を救出すべく、方臘の本営に侵入するが、呉用は自らの意志で方臘のもとにとどまる。
童貫は、いよいよ自ら出陣し、方臘軍と対峙する。
花飛麟は、二千の隊を与えられ、四千の賊徒征伐を命じられる。 史進が赤騎兵二百のみを率いて、同行するが、花飛麟は秀逸な采配を見せ、
史進の支援は必要なかった。 史進は、王進の母、王母に今生の別れを告げるため、単身、子午山に向かう。
その後、花飛麟は、燕を抜けて、金に向かうよう指示を受ける。 途中、楊令と史進が合流。 史進から王母が亡くなったことを告げられる。
金に向かう途中、楊令、史進、花飛麟は、数千から一万二千の女真族の軍と何度か戦う。 しかし、ほとんど戦うことなく、大将の首のみをとって
戦いを終わらせる。 金の王宮で、楊令は、金王、阿骨打の前に三十二の首を並べる。 楊令が戦ったのは、阿骨打の弟、呉乞買(うきまい)を
担ぐ族長たちの軍だった。 呉乞買は、阿骨打の病が重いのを機にク―データーを企てたのだった。 しかし、阿骨打は、呉乞買を皇太子に指名し、
民政に専念するように釘をさす。
趙安は禁軍九万と地方軍十二万を従え、燕京の手前に陣を張る。 燕京では、耶律淳を新帝として推戴し、十一万の軍が堅陣を敷き、睨みあい
が続いていた。 耶律披機、簫珪材、耶律大石の三人の将軍は、燕国建国を強く意識し、一丸となって宋軍に立ち向かう。 両軍の戦いは、緒戦
から激戦となり、宋軍は将軍の一人、葉超を失う。
江南では、童貫軍と方臘軍との本格的な戦いが始まる。 童貫は、馬を五十頭、横に連ねた連環馬という戦法を繰り出す。 二百組、計一万頭の
連環馬で方臘の信徒七十万の内、四十万をなぎ倒した。 石宝の正規軍一万、許定の軍も三万五千も討ち取られる。 さらに五万の信徒軍を率いて
いた?元覚も戦死し、信徒軍は潰滅する。
宋の都、開封府では、宰相の弟、王慶が三万の軍を組織し、梁山泊に向かう。 花飛麟は、わずか二千の兵で王慶を迎えうち、果敢な攻めで王慶の
首を獲る。
燕では、青蓮寺の軍が耶律淳を暗殺。 さらに、激闘の中、耶律披機が戦死する。
物語の本線とは直接関係がないけれど、燕の将軍、簫珪材が、梁山泊の頭領、楊令の養父、楊志と同じ楊業を祖としていることが明らかになります。
楊業とは宋建国時の英雄であり、息子の一人が遼の王女と結婚するという数奇な運命をたどります。 あくまで北方さんの小説の中での話かもしれ
ませんが、簫珪材は、楊業の息子と遼の王女の子孫ということになるわけです。
楊業と息子たちの戦いを描いた「楊家将」も名作です。 超おススメの作品。 「楊家将」のブックレビューはコチラ。
「楊令伝」公式サイトはコチラ。  「水滸伝」1〜4 ブックレビューはコチラ。  「水滸伝」5〜19 ブックレビューはコチラ。
僕のオススメ度:8.5

コメント  GOTH 夜の章・僕の章  (乙 一著、角川文庫) コメント 夜の章 コメント 僕の章  作品の紹介 

【夜の章】三編からなる連作短編の構成。 「僕」は高校二年生。 表面的には家族やクラスメイトと問題なく接しているが、実は無感動
な人間。 人となるべく関わらずに生きていたいと思っている。 そして、猟奇殺人などの異常な事件に密かに関心を示している。
第一話のタイトルは「暗黒系 GOTH」。 同じクラスの女子、森野 夜は、「僕」が同類であることを感じ取り、「僕」に接近してきた。
ある日、森野が拾った手帳には、猟奇殺人の記録が書かれていた。 それは、まちがいなく世間を騒がせている事件を記したもので
あり、まだ死体が発見されていない事件のことも書いてあった。 「僕」と森野は、発見前の死体を見るために山中に向かう。
しかし、警察に知らせることもなく、日常に戻った。 森野は、山中で見た死体の女の子に似せた服を着るようになる。
そして、殺人犯に監禁されるが、、、、、、。
第二話は「犬」。 義父に虐待を受ける、少女と犬の悲しく、そして恐ろしい物語。 だまし絵みたいな構成が秀逸。
第三話は「記憶」。 小学校二年生の時に死んだ森野の双子の妹のお話。 「僕」は森野の過去をたどる内に彼女の闇を覗くことになる。
ミステリーとしても一級品の作品。
【僕の章】上巻(「夜の章」)と同じく三編の連作短編。
第一話は「リストカット事件」。 生きた人間の「手」だけを切り取る犯人の正体を知った「僕」は犯人の家に忍び込むが、森野が事件に
巻き込まれる。 「僕」の心の闇を描いた秀作。
第二話は「土」。 生き埋めにとりつかれた男と悲しい恋人たちのお話。 上巻の「犬」同様、だまし絵みたいな構成。
第三話は「声」。 猟奇殺人の被害者の妹と犯人との危ない接触のお話。
タイトルの「GOTH」は、gothicの略。 怪奇的、病的、そして暗く超自然的な嗜好を持つ人のこと(文化を指すこともある)。
著者は、主人公の森野 夜の人物設定から、このタイトルをつけたとのこと。
人が密かに持つ心の暗黒面、闇を描いた、独特の世界観を持った佳作。 ふつうの人ががまんできるギリギリの気持ち悪さが全編あふ
れています。 好みがわかれる作品。
2003年「本格ミステリ大賞」受賞。 ライトノベルとして発表されたにも関わらず、この賞を受賞したのは快挙。 僕のオススメ度:7.8

コメント  朱夏(しゅか) (今野 敏著、新潮文庫)   作品の紹介 

正式タイトルは、「朱夏 警視庁強行犯係 樋口 顕」。 警視庁捜査一課強行犯三係係長、警部補 樋口 顕シリーズの第二弾。
刑事としての使命感は強いものの、人の顔色を見て、なかなか感情を表に出せない樋口。 周囲からは優秀な刑事として評価されて
いるが、本人にとっては、それがおもはゆかったり、少し居心地の悪いことだったりする。
家族は、同い年の妻と高校三年生の娘。 妻は家で翻訳の仕事をしている。 仕事柄、樋口が家族と会話する時間は限られている
ものの、家に居場所がないわけでもなく、あたたかく平和な家庭に恵まれていた。
しかし、年も押し詰まった12月最後の金曜日の夕方、妻の恵子が初台の翻訳家に原稿を届けた帰り、何者かに誘拐される。
犯人は、樋口に連絡することをせず、ただ恵子を監禁した。 娘はスキー旅行に出かけ、不在だったこともあり、深夜、家に帰った
樋口は、ただただ妻の不在を不審に思う。 事件性が証明されるか、行方不明後三日経過しないと、警察に届けても意味がないと
判断した樋口は、自らの手で妻を探し始めることを決意する。 以前、同じ捜査本部でコンビを組んだ荻窪署の氏家に協力を仰ぎ、
二人だけでの捜査を開始する。
ところが、樋口は、警視庁の警備部長宅に脅迫状が届けられた事件で、非公開の捜査本部のデスクを任されることになっており、
捜査本部が立ちあがる月曜の朝までに、何としても妻を探し出す必要があった。 さらに、月曜にスキーから戻ってくる娘に余計な
心配をかけまいとする親心も交差し、寝る間も惜しんだ捜査を続ける。
妻の足どりが途絶えた初台の現場周辺を丹念に捜査し、ようやくたどり着いた誘拐の容疑者は意外な人物だった、、、、、、。
シリーズ第一作に続き、少し堅物の樋口とコンビを組むことになる氏家。 彼のキャラに樋口だけでなく、読者も救われたのかも
しれません。 あと、サイドストーリーとしての警視庁警備部長脅迫事件、樋口の娘をストーキングする少年の話がみごとに本線の
誘拐事件と繋がっていて、著者の構成力の妙に感心させられました。
シリーズ第一弾「リオ」のブックレビューはコチラ。  僕のオススメ度:8

コメント  ヴィーナスの命題 (真木 武志著、角川文庫)   作品の紹介 

進学校として名高い成箕(なるみ)中央高校で、二年生の科学部員、黛 岳彦が自殺する。
第一発見者は、生徒会副会長で、二年の高槻 護だった。
科学部の副部長、益子 巧は、黛と犬猿の仲だった部長の乃木 由也を疑うが、乃木はあっさり容疑を否認し、益子もそれを信じる。
一方、益子とクラスメートで、タレントとして売り出し中の柳瀬 さとみは、母親の再婚話が進んでいた。 母の再婚相手は、同じ高校
の園芸部部長、公文 覚(さとる)の父だった。 黛の自殺の直後、公文の父は、柳瀬親子と息子の目の前で事故に会い、意識不明
の重体に陥る。 幸い、公文の父は命は取りとめるが、今度は公文が何かにとりつかれたように階段から飛び降りる。
乃木は、益子とともに科学部の先輩、蓑田 しのぶと事件の解明を試みるが、、、、、、。
本作は2000年の「横溝正史賞」の最終候補に残ったものの、受賞を逸しました。 選考会では賛否両論真っ二つの評価に分かれた
とのこと。 なるほど、読んでみて、その理由を実感しました。 とにかく文章が難しい。 登場人物たちが知的エリートだからと
言っても、高校生がこんな言葉話すのか、こんな論理的な思考をするのか、と突っ込みを入れること何十回。 次に、登場人物の
多さと激しい視点の入れ替わり、場面転換。 頭がよくて、本好きで、根気のある人は、一級品のミステリーだと思うのだろうけど、
僕には無理。 読むのが疲れる作品。 途中で読むのを止めた人も多かったのでは?
2010年「本の雑誌」国内ミステリー部門 ベスト10。 僕のオススメ度:6.5

コメント  氷菓 (米澤 穂信著、角川文庫)   作品の紹介 

神山高校に入学した折木 奉太郎は、何事にも積極的にかかわろうとしない「省エネ」少年。 そんな彼が、姉でOGの供恵から頼まれて、
三年連続入部者がいない廃部寸前の古典部に入部する。 当然、部員は自分一人だろうと思っていたら、隣のクラスの千反田 えるも
入部していた。 さらに、なりゆきで、奉太郎の悪友、福部 里志、小学校以来の腐れ縁、伊原 摩耶花も入部するはめに。
奉太郎は、次々と千反田の前で名推理を披露し、ちょっとした謎を解明する。 感心した千反田が奉太郎に依頼したのは、彼女の伯父、
関谷 純にまつわる謎だった。 やがて、奉太郎たち四人は、関谷が33年前、古典部の部長で、「氷菓」という文集の名付け親になった
こと、彼が学校を退学した事実にたどりつく。 奉太郎の推理の末に明らかにされる関谷と「氷菓」の謎とは?
ライトな感覚の青春学園ミステリー。 おもしろかったけど、ちょっと頭でっかちかな、という印象を持ちました。
今やすっかり売れっ子作家になった著者のデビュー作。
2001年「角川学園小説大賞」ヤングミステリー&ホラー部門奨励賞受賞。 僕のオススメ度:7

コメント  夏光(なつひかり) (乾 ルカ著、文春文庫)   作品の紹介 

表題作(「夏光」)を含む計6編を収録した短編集。 第一部が「め・くち・みみ」、第二部が「は・みみ・はな」というタイトル。
顔の部位にまつわる幻想的な作品が並んでいます。 第一部は、大正、昭和の終戦まで。 第二部は、現代を描いた作品。
第一部の最初の話は「夏光」。 「目」にまつわるお話です。 太平洋戦争末期、海辺の村に疎開した少年とふしぎな「目」を持つ少年との
友情を描いた作品。 せつなさとかなしさの中にひとすじの光が射すラストが秀逸でした。
ファンタジー、SF、ミステリー、ホラーなど作品ごとにテイストは異なるものの、独特の世界観に貫かれた個性的な作品集。
とはいえ、表題作以外は、好き嫌いがわかれるかもしれません。 ホラーが苦手な人には、ちょっとツライかも。
2010年「本の雑誌」国内ミステリー部門 ベスト10。 表題作は、2006年度「オール讀物」新人賞受賞。 僕のオススメ度:7.5

コメント 2011-(4)へ   コメント(6)へ    コメント T.Tのページへ    コメント トップページへ